ドタドタ・・・ バタバタッ 朝から天道家は騒がしい。 「あーもーうるさいなー!!」 あかねが家中を逃げ回っている、おじいちゃんの八宝斉を掴む。 「あかねちゃん〜離してくれよ〜」 八宝斉はジタバタ暴れる。 「乱馬!あんたも朝からうるさいわよ!!」 あかねが八宝斉を追っかけていた乱馬に言った。 「しょうがねぇだろ!じじいが、また下着盗んできたんだから!」 乱馬が少しふくれて言った。 「あっそ!学校、先に行くから!!」 あかねは八宝斉を乱馬に投げつけて、玄関にどすどすと向かった。 「何か機嫌悪いな・・・・」 乱馬は逃げようとする八宝斉を掴みながら、玄関の方を見る。 「もうっ!本当に朝からうるさいんだから・・・・」 あかねはぶつぶつ言いながら学校へと向かう。 「あかね!」 乱馬があかねの前に走りこむ。 「なっ何よ!ビックリするじゃない!」 あかねはキッと睨みながら言った。 「何か機嫌悪くないか?」 乱馬があかねの顔を覗き込む。 ドスッ!! 覗き込む乱馬の顔を拳で殴るあかね。 「いってーーー!何すんだよ!」 乱馬は顔をさすりながら怒鳴る。 「もーうるさい!ほっといて」 あかねはスタスタと歩き始める。 「あのさ〜あかね」 乱馬もスタスタとあかねの後を付いていきながら話しかける。 「うるさいなー何よ!?」 歩きながらあかねは答える。 「今日、学校休みだぜ??」 乱馬の言葉にあかねの足がピタッと止まる。 そうだった・・・・。 今日は学校の創立記念日だった・・・・。 あかねは無言でUターンをして家に向かう。 「おいっ!何か感じ悪いな!」 乱馬があかねに言う。 「ええ、ええ、そうですね」 あかねはそう言って、歩き続ける。 「可愛くね〜」 乱馬はそうボソッと言うと、あかねを抜かして、一足先に家へと向かう。 「どうせ、可愛くないわよ・・・・」 あかねは走り去る乱馬を見ながら、悲しそうな表情をする。 「ただいま〜」 乱馬が家に着く。 「おかえりなさい。あかねは?」 かすみが乱馬に聞く。 「もうすぐ帰ると思うけど・・・」 乱馬はそう言って靴をぬぐ。 結局、しばらくたっても、あかねは帰ってこなかった。 「おかしいわね・・・・もうお昼前・・・」 かすみは時計を見ながら心配そうに言った。 「ったく・・・俺、捜してくる」 乱馬はあかねを捜しに、家を出る。 「どこ行ったんだ??」 心当たりを色々と周る乱馬。 キーキー・・・・ すると傍の小さい公園から、ブランコが揺れる音が聞こえた。 「あ・・・・」 公園をのぞいた乱馬は、ブランコに座っているあかねを見つける。 「おい!みんな心配してるぞ!」 乱馬はあかねの前に行き、腕を組んで言った。 「あ・・・・ごめん」 あかねは素直にあやまる。 「何だ?今度はやけに素直だな」 乱馬はそう言いながら、となりのブランコに座る。 「なあ・・・何かあったのかよ?」 乱馬があかねに聞いた。 「・・・・・・・」 あかねは黙っている。 「なあって・・・」 乱馬がブランコに乗ったまま、あかねに近づく。 「手紙・・・もらったでしょ」 あかねがぼそっと言った。 「手紙??」 乱馬が思い出すように考え始める。 「女の子から・・・たくさん貰ってたじゃない」 あかねは少し言いづらそうに話した。 「え・・・ああ・・・・あの手紙か。それがどうしたんだよ?」 乱馬はキョトンとした顔であかねに聞いた。 「どうしたって・・・付き・・・合うの・・・?」 あかねはそう言って足をけってブランコを揺らす。 「え・・もしかして、やきもち??」 乱馬があかねをからかう。 あかねは黙ったまま、ブランコに揺られながら顔を赤らめる。 それを見て乱馬はドキッとする。 「マジかよ・・・」 乱馬はブランコから下りて、あかねの前にたち、あかねの手を持って、ブランコをゆっくりと止める。 「な・・・何??」 あかねは赤くなったまま目をそらす。 「なあ・・・機嫌悪かったのって、やきもち?」 乱馬がまっすぐあかねの目を見て聞いた。 あかねはますます赤くなる。 それを見て、乱馬は頭を下ろして、あかねの肩に顔を伏せる。 「ちょっと・・・乱馬?」 乱馬の顔が急に近くにきてビックリするあかね。 そして乱馬の髪が頬にあたるたびにドキドキする。 「俺さ・・・・誰とも付き合わねえよ・・・」 乱馬はあかねの肩に顔を伏せたまま言った。 あかねは恥ずかしくて、うなずくだけが精一杯だった。 そのまま、乱馬は横を向いて、あかねの首に優しく唇をあてる。 あかねの心臓が一気に高鳴る。 乱馬の吐息が首にあたるたびにゾクゾクする。 「俺さ・・・・お前と以外は付き合わないから」 乱馬が小声で言った。 そして、あかねから離れる。 「ちょっと!・・・よく聞こえなかった・・・」 あかねは聞こえた言葉が信じられなくて、もう一度、確かめたかった。 「もう言わねーよ!」 乱馬はべーっと舌を出す。 「ほら、帰るぞ」 乱馬はあかねに手を差し出す。 それを見て、あかねはニコッと微笑む。 そして、その手をしっかりと握ってブランコから下りる。 「ありがとう・・・」 あかねがぼつりと言った。 「ああ・・・」 乱馬は少し恥ずかしそうに目をそらす。 「少し寄り道して帰ろ」 あかねが家とは違う方向に向かって、乱馬の手を引く。 「しょうがねえな・・・・」 乱馬はあかねに引かれている手を見て微笑む。 「乱馬!お腹空いちゃった、何かおごって!」 あかねがはしゃいで言った。 「ばーか、やだよ!」 そんな会話をしながら、二人は手をつないで歩いて行った・・・・。 (終) |