ガラガラ・・・


玄関の戸が閉まる音。



今日はみんな出掛けてしまって、夜は乱馬と二人きり。



そういえば・・・以前もこんな事あったっけ・・・。




あの時はシャンプーが乱馬に食べさせた傀儡芝のせいで、本当大変な目にあったけど。





「まあ、私と乱馬じゃ・・・何も起こらないか・・・」




こたつに入って、あかねはテレビをつけて見始める。





「ただいま〜」




乱馬が帰ってきて、そのまま自分の部屋へと向かっていった。




そして、少しすると居間に来る乱馬。




「あれ?御飯は?っていうかみんなは?」




そう言いながら乱馬もこたつへと入る。




「ああ・・・今日みんな出掛けてるから、夜御飯は何か出前でも頼んでって」





あかねが今度はせんべいを食べながら、乱馬に言った。




「あっそうなんだ。じゃあ何か頼むか?」




乱馬もせんべいを手にとると、バリバリと食べながらあかねに言った。





本当、私って何とも思われてないのね・・・。



乱馬の反応に少しがっかりする。




「何がいい?」



「う〜ん・・・そうだな〜腹減ってるし・・・出前も時間かかるし、食べに行かねぇか?」



乱馬がせんべいを食べ終わると、すくっと立ち上がって、あかねに言った。




「え・・・うん。いいけど」




あかねは食べかけのせんべいをパクっと食べると、上着を着て乱馬のあとを追った。




「どこいくの?」




「そうだな〜」




玄関の戸を乱馬が開けると、東風先生がちょうど訪ねてきたのか、荷物をもって玄関に立っていた。





「先生?」



あかねが乱馬の後ろから東風先生に走り寄る。




「おや?お出かけだった?近所の人にいっぱいもらって、どうかなと思って」




東風先生が美味しそうなおかずをあかねに差し出す。




「うわ〜うまそー!」




乱馬が横から覗き込む。




「すみません・・・頂きます。先生も一緒に食べませんか?今日、誰もいなくて・・・」




あかねがそう言っている途中に、乱馬はあかねからおかずを受け取ると、早々と居間へと嬉しそうに持っていく。



「いや、もう僕はいっぱい食べたから」



「それより・・・今日くらい素直にね」




東風先生はそういうとニコッと笑いながら玄関を出た。



「ちょっと・・・先生!」



そう言ったときには、もう先生の姿はなかった。




「もう・・・」




居間へ戻ると、乱馬が用意をしてあかねを待っていた。



「早く食べよーぜ!」




嬉しそうにおかずをとる乱馬。



緊張感ゼロ・・・。



雰囲気ゼロ・・・。



はーっと軽くため息をつくと、あかねも食べ始める。



乱馬はがつがつと美味しそうに食べ続けている。





「うわ〜腹いっぱい・・・」



乱馬がそのままゴロンと寝転ぶと、ウトウトと目を閉じる。



「ちょっと・・・寝ないでよ、風邪ひくわよ!」




「う〜ん・・・ちょっとだけ・・・」




乱馬がそう言って、すーすーと寝息をたてる。



「全く・・・」



そう言って、こたつの布団を乱馬の肩までかけると、食べ終わったものを片づけてテレビを見るあかね。




でも少し視線に入る乱馬が気になってしまう・・・。




そっと乱馬を見ると、気持ちよさそうに寝ている。



「何なのよ・・・」



気になってるのは私だけ?


ドキドキしてるのも・・・。



「えいっ」



寝ている乱馬のほっぺをギュウっとつまむ。




「うーーーん・・・」




乱馬が少し声を出して、寝返りをうつ。





乱馬の顔がこっちに向く。




「こうやってみると、顔は整ってるのよね〜」



あかねは今度はほっぺをつんつんと突く。




少し眉間にしわを寄せながら、乱馬がまたう〜んと寝返りする。



クスッ・・



少しあかねは笑って、乱馬の体を揺する。




「乱馬!本当に風邪ひくよ!私はもう自分の部屋で寝るから、乱馬も部屋に帰って寝なよ!」




「うん・・・わかった・・・」




眠い目をこすりながら、乱馬が少し目を開けて答えると、またすぐに目を閉じる。




「もう・・・」




何か期待した自分がバカみたい・・・。




あかねはそんなことを思いながら自分の部屋へと向かった。




そして、布団に入る。



「うわっさむい!」




そして少しして、布団も温まる。



すると、足音が聞こえてきた。




乱馬・・・??



その足音はどんどんと近づいてくる。




まさか・・・。



ドキドキ・・・。



心臓が急にはやくなる。




でも、その足音は自分の部屋を通り過ぎていった。




「なんだ・・・」




うわ・・・本当、私・・・期待してたの!?



そうつぶやいた後に、恥ずかしくなる。




バタン・・・








何かが倒れる音がする。



慌てて部屋を出ると、乱馬が廊下で倒れていた。



「ちょっと!乱馬??」



ぐてっと倒れている乱馬。



「大丈夫??」



「うわ・・・くさい!」



乱馬からはお酒のにおいがする。



「あんた・・・お酒なんか飲んだの??」




「ちげーよ・・・じじいが・・・・」




そう言って乱馬は寝始める。




「おじいちゃん??」




「あっかねちゃーん!」



その時、八宝菜があかねに飛びつく。




「ちょっと!おじいちゃん!!乱馬にお酒なんか飲ましたの!?」




八宝菜に蹴りを入れながら、あかねが怒鳴る。




「いいじゃろ〜たまには〜」




八宝菜がそう言って乱馬に水をかけようとする。




「ちょっと・・・・おじいちゃん!?」





八宝菜を掴んで持ち上げると睨み付けるあかね。




「だって・・・だって〜たまにはサービスしてもらいたいんだもん〜」



「何のサービスだ!何の!!」




ドカーン・・・!!




あかねに蹴飛ばされ、見えなくなる八宝菜。




「全く・・・・」



あかねは乱馬をずるずると引きずって乱馬の部屋へと連れて行くと、布団に寝かせる。




「・・・あかね・・・」




離れようとしたとき、乱馬に声を掛けられ止められる。




「どうしたの??」




あかねが乱馬の傍に座る。





「何か頭痛い・・・」




乱馬がそう言って、あかねの膝に顔をうずめる。




「大丈夫?」




少しびっくりしながらも、そっと優しく乱馬の頭を撫でるあかね。




「もう少し・・・こうしてて・・・」




乱馬はそう言って、目を閉じる。




「いいよ・・・」




あかねは嬉しそうに微笑んだ。





(終わり)




※続きは??にて・・・(恥)