これから俺たちはどうなるんだろう・・・。



そんな事を、最近はよく考える。



もうすぐ卒業なのに、あいつの気持ちも分からないまま、年月だけが経つ。




「俺が素直になれたらいいんだよな・・・」




そう言って、乱馬がは〜っとため息をつく。




あかねを好きな気持ちは膨らむばかりなのに、それを素直に出せない。




年月が経つにつれて、どんどん素直になれない自分。




気持ちを伝えたら、もしかして今の関係が崩れるかもしれない。




そんな不安もあるせいか、なかなか前に進めない。




高校生、最後の夏休み。来年は一緒にいれるかも分からない。





乱馬はゴロンと布団に寝転がったまま、天井を見ながら、あかねの事を想う。




「よしっ!」




乱馬が勢いよく起きる。




今日はあかねと二人きり。



今日こそ、自分の素直な気持ちを伝えたい!



でも、そう考えただけで赤くなってしまう乱馬。




「いざとなると、ダメなんだよな・・・」




乱馬がまた座り込んで、ため息をつきながら肩をおとす。






「乱馬・・・寝てるの?」





部屋の外から、あかねが声をかけてきた。



心臓が一気に早くなる。





「・・・いや、起きてるよ」




そう答えると、あかねが部屋に入ってくる。




「どうした?」




乱馬は恥ずかしさから目を合わせられず、布団を部屋の隅におしながら聞いた。




「あのね・・・部屋の隅でもいいから・・・一緒に寝てもいい?」




あかねが恥ずかしそうに聞く。




「え・・・?」





思いもよらなかった言葉にびっくする乱馬。




「誤解しないでよ!!ただ、今日はお姉ちゃん達もいないし、雷も凄いし・・・・」




あかねが背中に隠していた自分の枕をギュッと抱いて、恥ずかしそうに顔を伏せて言った。





「・・・しょうがねえな・・・勝手にしろ」





乱馬は隅に寄せた布団にゴロンと寝転んで、壁を向いたまま言った。





「ありがと・・・布団持ってくる!」




あかねは布団をとりに、一度自分の部屋へと戻る。



こんな機会はもう訪れないかもしれない・・・。気持ちを伝えるチャンス・・・。


乱馬は心の中でグッと気合を入れる。



それから少しして、布団を持って乱馬の部屋に入ってくるあかね。





「ごめんね・・・」




あかねはそう言って、部屋の隅に布団を敷いて、もぐり込む。



外では雷がどんどんと激しくなって、雨音も強くなってきた。




「雨もすげぇな・・・」




乱馬がボソッと窓を見ながら言った。




「こんなの久しぶりだよね。落ちなきゃいいけど・・・」




そう言って、平然を装いながら、あかねは雷の音がする度に、体に力が入っていた。




そんな、あかねをチラッと見て、大きく深呼吸をする乱馬。




「あのさ・・・・」




そう切り出したものの、なかなかその先の言葉が出ない乱馬。





「・・・なに?」




あかねが少し首を傾げて聞いた。




その表情にますますグッとかたまる乱馬。




「あの・・・・さ・・・」




でも、もう一度気合を入れて、話し始める。




「俺・・・お前を傷つける事ばっかりで、優しくできないし・・・気の利いた言葉も言えないし・・・」



??



「乱馬・・・?どうしたの・・・??」




乱馬の言葉を聞いて、びっくしているあかね。










「お前が好きだ!!」








思わず、そう叫んでしまった乱馬。



色々な言葉を考えていたのに、その言葉も消えてしまっていつの間にかそう言っていた。




「え・・・?」




あかねがみるみる赤くなるのが分かった。





「だから・・・えと・・・・」





言った後に、急に恥ずかしくなる乱馬。何か言わないと・・と思いながらも言葉が出てこない。




その時、あかねが自分の胸へと飛び込んできた。



一瞬、頭が真っ白になる。





「あかね・・・?」





心臓がドキドキしているのが分かる。









「・・・・嬉しい・・・私もずっと好きだった・・・」








自分にギュッと抱きつきながら、あかねが少し涙ぐみながら言った。




その言葉を聞いて、自分も泣きたくなるくらい嬉しかった。




でも言葉が出なくて、ただ、ただ、あかねを力強く抱きしめた。







やっと想いが伝わった。



二人の想いが繋がった。






二人は何も言わずに、抱き合ったまま微笑んでいた。







(終わり)