ハアハア・・・


息を切らして教室へと戻ったあかね。


すぐに席について、深呼吸をする。


「どうしたの?」


友達がそんな様子を見て周りに集まってくる。



「え・・・ああ、何でもないよ」



あかねは少し赤くなりながら、弁当をひろげて食べ始めた。



「何かあったの〜?」



友達が笑いながら聞いてくる。




「ちょっとやめてよ!変な想像するのは」



あかねがますます赤くなりながら、がつがつと弁当を食べる。




「わっかりやすい〜」



そう言って、あかねをからかう。



「もう!休憩あと少しで終わるよ!」




あかねが少しふてくされる。



「はい、はい〜」



みんな、自分の席へと戻る。



「まったく・・・」



あかねはお茶をぐっと飲み干すと弁当を片づけて、次の授業の用意をする。









「じゃーね」



授業が終わって、みんな教室を出て行く。



廊下を歩いていると、後ろから声をかけられる。



振り返ってドキッとするあかね。



「よう。天道、」



乱馬が笑いながら話しかけてきた。




「な・・・何ですか?」




あかねは少し距離をとりながら答える。




「あのさ今日、お前んちにお邪魔することになってさ・・・」




「え・・・家にですか??」



少しびっくりするあかね。




「ああ・・・またゆっくり話がしたいって・・・お前のお父さんがさ」





「そうですか・・・」



あかねはそう言うと、軽く会釈して玄関へと向かう。




「あ、ちょっと待っててくれないか?」



乱馬はそう言うと、急いで職員室に戻り、帰る支度をして、あかねの前に戻ってくる。







「いまいち、天道の家の場所、不安でさっ。帰るついでに連れてってくれよ」



頼むといった感じで、両手を合わせてあかねに頼む乱馬。




「えっ・・・いいですよ」



内心はドキドキしていたあかね。でも妙に冷たい態度をとってしまった。




「うわっ冷たいな〜」



乱馬は少し困った様子で、あかねの後を少し離れてついて行った。




校門を出て、人通りも少なくなる。



でも乱馬は少しあかねから離れた場所を歩いていた。





「ちょっと・・先生!?」




たまらず、あかねが少し後ろを歩いている乱馬に話しかける。





「え?何だ?」




乱馬が考え事をしていたのが、少しびっくりして慌てて答える。





「あの・・・何でそんなに離れて・・・・るんですか?」




あかねが小さい声でもごもごと言った。





「何?聞こえないぞ?」




乱馬が後ろから駆け寄って、あかねの傍に近づく。





心臓がドキドキしているのが自分でも分かる。




「天道?」




あかねの顔を覗き込む乱馬。




「な・・・何でもないです!」




またクルッと前を向いて、すたすたと歩き始めるあかね。





「あっかねちゃーん!」




その時、あかねの前から急に八宝菜が飛びかかる。




「きゃっ!」




あかねが驚いて、ギュッと目を閉じるとカバンで自分の顔を隠す。



ドカッ!




何かの音がして、その瞬間にあかねの体は凄い力で後ろに引き寄せられる。




びっくして目を開けると、目の前に八宝菜の姿はなかった。




「あれ・・・??」



「大丈夫か?」



!?



自分のすぐ後ろから乱馬の声がする。




え・・・え・・・先生!?




今、乱馬に自分の体がささえられている事に気づくあかね。




乱馬の匂い・・・・。



耳元で聞こえる乱馬の声・・・。



乱馬の髪が自分の頬にあたる。




「あの・・・大丈夫ですから・・・」



あかねは胸にあるカバンをギュッと両腕でギュッと抱える。




「あ・・・わりぃ!」



パッと両手をあげて、あかねから離れる。




「いえ・・・ありがとうございます」




あかねは慌てて、乱馬の方を向くと、頭をぺこっと下げる。




「今の誰・・・?」




「あっ・・・家にいるおじぃちゃんで・・・」




あかねが少し困った顔で答える。




「え!!わりぃ!俺、変な奴かと思って、思い切り蹴飛ばしたぞ・・・」




そういう乱馬の表情は本当にオロオロしている。




「いえっ気にしないでください!変な人なんで・・・」




あかねが笑いながら乱馬に言った。



クスッ



乱馬がその時、あかねを見て優しく笑う。




「な・・・何ですか」



「いや・・・別に」




乱馬は笑いながら歩き始める。




「ちょっと!先生!」




あかねは思わず、乱馬の服の裾をつかむ。




「可愛い!って思っただけっ」




乱馬はつかまれて止まると、そう言って振り返って笑いながらキュッとあかねの鼻をつまむ。




ボボッと赤くなるあかね。



「からかわないでください!!」



そう言って、家へと走りはじめる。




「からかってないのにな〜」




あかねの後ろ姿を見ながら、ぼそっと笑って乱馬が言った。






(続く)