ザー・・・・ 朝から雨が降り続け、今日は1日雨の予報。 「はあ・・・」 乱馬は自分の部屋で寝転びながら、雨音を聞いていた。 「雨止みそうにないな・・・何か気分が上がらねえな・・・」 そうつぶやくと、ふあ〜っとあくびをして、ウトウトとうたた寝を始める。 「乱馬!・・・いないの?」 何回か呼んでも返事がない乱馬に、あかねが部屋へと入る。 「もう・・・昼間っから寝てるし・・・」 気持ちよさそうに寝ている乱馬の顔を覗き込む。 「買い物つきあってもらおうと思ったのに・・・」 起きそうにない乱馬を見て、ふうっとため息をつくと、あかねは部屋から出て行く。 「ん・・・・」 やっと目を覚ます乱馬。 「何時だ・・・」 起きあがって時計を見ると、すでに夕方。 「ふわ〜よく寝た」 お茶を飲みに台所へと向かう。 「ん・・・?甘い匂い・・・」 乱馬が台所に入ると、あかねが何やら作っている。 「おい・・・何作ってるんだ?」 ヒョイッと覗き込む乱馬。 「きゃっ!もう、びっくりするじゃない!」 あかねがびっくりして振り返る。 「ぶはっチョコついてるぞ」 あかねの頬についているチョコを手で拭うと、それをペロッと舐める。 それを見てカーッと赤くなるあかね。 「何、赤くなってんだ?」 あかねの顔に近づいて、乱馬が意地悪そうに聞く。 「何でもないわよ!!」 ぷいっと乱馬に背を向けると、またガチャガチャと何かを始める。 「あのさ・・・まさか・・・それバレンタインにくれんの?」 乱馬が冷蔵庫からお茶を出して飲みながら聞いてきた。 「い・・・いらないなら言ってよ・・・っ」 そう言ったあかねは耳まで真っ赤になっていた。 クスッ それを見て乱馬が笑う。 「くれよ・・・」 そう言って、のしっとあかねに寄りかかる。 「ちょっと重い!」 寄りかかる乱馬をどかしながら、あかねがますます真っ赤になる。 「っていうか変なチョコ作るなよ」 乱馬は押しのけられると、台所の椅子に座って、ケラケラと笑う。 「もう、うるさいー!邪魔だから部屋にいてよ」 ふくれながら、あかねはまたチョコを作り始める。 「やだ・・・」 乱馬はそう言うと椅子に座ったまま、あかねをじっと見る。 「ちょっと・・・何か見られてると恥ずかしいんだけど・・・」 乱馬の視線に気づいて振り返りながらあかねが言った。 「気にするなって、ただ見てたいだけだから・・・」 あきらかに変わった二人の関係。 去年のバレンタインなんて小さいチョコをあげただけなのに。 今年は張り切って手作りなんてしてるし・・・。 あかねはチョコを混ぜながら、何だかくすぐったい気持ちになる。 チョコを型に入れて冷蔵庫に入れると、片づけを始める。 「手伝う・・・」 座っていた乱馬が側に来て手伝い始める。 「あ・・・ありがと・・・」 「あのさ、昼に俺の部屋来た?」 「え?・・・ああ、ちょっとね。でも寝てたから・・・」 「あっそうなんだ・・・何か変なことしなかった?」 乱馬が笑いながらあかねをからかった。 「な・・何もしてないわよ!!もう邪魔するなら座ってて!」 カーッと赤くなって、乱馬に怒るあかね。 「ぷっ!冗談、冗談!」 あかねの拳をよけながら、あかねをなだめて、また椅子に座る。 「もうっサイテー!」 洗い物を終えると、ずんずんと部屋に帰ろうとする。 「冗談だって言ってんのに・・・」 出て行こうとするあかねの手をとると、ヒョイッと自分の上に座らせる。 「ちょっと・・・」 もがくあかねをギュッと抱きしめる。 「機嫌なおせよ・・・」 「もーなおすから離して!」 恥ずかしそうにもがくあかね。 あかねの背中に顔をうずめる乱馬。 「あ・・・あかね、ドキドキしてる・・・」 その鼓動を聞いて、またクスッと笑う。 「うるさいー!」 「あ・・・またはやくなった」 「・・・・・!!」 恥ずかしさから言葉が出ないあかね。 「あかね・・・・」 自分の方を向かせると、じっとあかねを見つめる。 「な・・・何・・・?」 「早く・・・」 「な・・・何が??」 キョトンとするあかねにハーっと大きなため息をつく。 「な・・・だから何なのよ」 「本当、あかねは鈍感だよな・・・」 乱馬がまた大きなため息をつく。 「もー!何なのよ!」 「せっかく雰囲気出してやってんのに・・・・」 乱馬はそう言うと抱きしめて優しく首筋にキスをする。 ボボッ・・・ 「乱馬のバカー!」 あかねはポカポカと乱馬を叩く。 「いてて・・・やめろって」 「バカ・・・」 あかねはそう言うと、乱馬のおでこにぎこちなくキスをする。 少しびっくりした後に、嬉しそうに笑う乱馬。 そして優しくあかねをまた抱きしめた。 (終わり) 後編は??にて・・・・ |