少し光が見える天を見上げて、かごめがハーっと息を手に吐く。 「よいしょっと・・・」 かごめは荷物を背にしょって、井戸を上り始める。 何回も上っている井戸だが、この時期は手がかじかんで辛い。 特に今夜は、とても冷える。 よしっ・・・」 荷物を先に下ろして、かごめも戦国の地に足を下ろす。 「おっせーかごめ!」 犬夜叉が待ち構えていたように、木の上から飛び降りる。 「しょうがないでしょ。色々と準備があったんだから」 かごめは大きなリュックを開けながら言った。 月明かりで何かを探すように、ゴソゴソと荷物をさぐっているかごめ。 「ったく、多すぎじゃねえか・・・??」 犬夜叉が、かごめの前にドカッとあぐらをかいて座って頬杖をつきながら、かごめの様子を見ている。 「あ・・・あった、あった!はい。犬夜叉!メリークリスマス!」 いきなり渡されて、少しびっくりする犬夜叉。 「何だ?これ・・・?」 犬夜叉が渡された物をふんふんと嗅ぎながら、不思議そうな顔でかごめを見る。 「今日はお祝いする日なの。プレゼント開けてみて!」 かごめがニコニコしながら、犬夜叉に早く、早くと手でジェスチャーする。 「ったく・・・仕方ねぇな・・・」 犬夜叉はバリバリと袋を破って、中に入っている物を手に取る。 動きが固まる犬夜叉・・・。 「な・・・何だこれは・・・・」 「どうどう??犬夜叉、好きそうだなと思って」 かごめはプレゼントをじっと見たまま動かない犬夜叉を嬉見て、クスクスと笑っている。 「これ・・・・骨じゃねえか・・・・」 犬夜叉が少しイラッとした表情で、プレゼント見ながら言った。 「ちょっと!ただの骨じゃないんだからね!結構、高かったんだから〜」 かごめは半分、笑いをこらえながら言った。 「じゃあ、何の骨だ・・・?」 犬夜叉が不審そうな目で見ながら、骨をくんくんとまた嗅いだ。 「犬用のおやつだから大丈夫だって!」 手をひらひらさせながら、ケラケラと笑っているかごめ。 「あのな〜俺は犬じゃねーーー!」 犬夜叉が怒った表情で、かごめに迫る。 「ごめんって〜」 かごめは犬夜叉を落ち着かせるようになだめる。 「ったく・・・・」 犬夜叉はふてくされて、腕を組んだ。 「犬夜叉・・・」 呼ばれてかごめを見ると、いきなり首に何かを掛けられた。 「!?・・・」 犬夜叉は掛けられた首飾りを一度、首からとって、それを手に持った。 かごめはそれを黙ったまま、じっと犬夜叉の反応を見ている。 一度、かごめをチラッと見てから、首飾りの先に付けられている白く光る石を犬夜叉は見つめた。 不思議と心が落ち着くような気がした。その石を月の光にあてると、石は淡い光を放つ。 「かごめ・・・何だこれ・・??」 犬夜叉は光を受けて光る石に、心を奪われる。 「ムーンストーン・・・っていう石なの」 かごめは優しく微笑みながら言った。 「??」 犬夜叉は理解できない様子だった。 「月の力を秘めた石って言ったらわかりやすいかな??」 そう言って、かごめが月を見上げる。 「月の力・・・」 石を今度は手のひらにのせて、まじまじと石を眺める犬夜叉。 「月の満ち欠けにとっても関係しているって言われているの。何か犬夜叉に似てるでしょ??」 かごめはクスッと笑いながら、犬夜叉の手のひらにある石をとって、もう一度、犬夜叉の首にかけた。 「それと、人への優しさ、愛情、自分の中に眠る力も引き出してくれるって伝えられてるの・・・」 犬夜叉の胸元で光る石に優しく触れて、犬夜叉を見上げてかごめは微笑んだ。 「・・・ありがとな・・・・」 そう言った犬夜叉は、少し照れている様に見えた。 「今日はお祝いって言ってたよな・・・俺は何にも用意してねぇぞ・・・」 犬夜叉が腕を組んで、申し訳なさそうな表情をする。 「いいの・・・一緒にいれるだけで・・・」 かごめが犬夜叉の腕に抱きついた。 「おいっ・・・」 カーッと赤くなる犬夜叉。 「今日はね。大好きな人と一緒にいたいの」 かごめはニコッと笑って言った。 「え・・・?」 それを聞いて、ボッと赤くなる。 「一緒にいてもいい?」 かごめが恥ずかしそうに聞く。 「しょ・・・・・しょうがねえな・・・・」 犬夜叉はどもりながらも、そう答えた。 その時、空からチラチラと白い粉雪が舞ってきた。 その雪もまた、月明かりに照らされて、きらきらと光る。 「綺麗だね・・・」 かごめが犬夜叉の腕にぎゅっともう一度、抱きついて嬉しそうに笑った。 「そうだな・・・」 犬夜叉は、そんなかごめを見て優しく微笑んだ。 そして、犬夜叉はかごめの手をとると、二人でしばらく舞う粉雪を眺めていた。 (終わり) |