「ただいま〜」



かごめが犬夜叉を連れて家に入る。



「おかえり。いらっしゃい犬夜叉くん」



かごめの母はニコッと微笑む。



「お兄ちゃんーーーーー!!」


物凄い、勢いで草太が犬夜叉に飛びつく。



「うわっこら!あぶね〜」



犬夜叉はそう言いながらも、草太をひょいっと抱えて、肩車をする。


「わっ!高ーい!」



草太は嬉しそうだ。かごめもそれを嬉しそうに見ている。





「さっあっちでお茶にしましょ」



母がそう言うと、犬夜叉は草太を下ろして、一緒に居間へと向かった。









「時々はあっち(戦国時代)に帰るの??」



かごめがケーキを食べながら、犬夜叉に聞く。




「そうだな〜たまにはな。楓のババァも歳のくせして、無理ばっかしやがるしな」



それを聞いて少しクスッと笑う、かごめ。




「なんだよ・・??」


犬夜叉が口をとがらせて言う。




「犬夜叉ってやっぱり優しいんだなと思って」


かごめが優しく言った。





「けっ!そんなんじゃねぇよ!」




少し赤くなりながら、犬夜叉はそっぽを向く。


ふふっと笑うかごめ。






「ねーねーお兄ちゃん!ケーキ食べたら遊びに行こ!!」



草太が犬夜叉を誘う。




「おっ外か??ちょうど体を動かしてぇと思ってたんだ!」




犬夜叉が急に元気になって言った。





「だめよ!あんたが出てったら町が大騒ぎになっちゃうわよ・・・・」


かごめが止める。




「いいじゃない。かごめ・・・こっちにいる間、外に出ちゃいけないのは犬夜叉くん、可哀想よ。前みたいに服を着替えて、帽子をかぶれば大丈夫じゃない?」



と母が言う。



確かに、この体力バカが家で大人しくしている訳がない・・・・


「そうね・・・」



そう言って、かごめは自分の部屋に行って、服をとってきて草太に渡した。



「草太!私は勉強で付いて行けないから、絶対に犬夜叉から目を離したら駄目よ!!悪い事したら、すぐに連れて帰るのよ!」



かごめは強く言った。




「まかせといて!姉ちゃん!」



草太が言う。




「けっ!何か俺がガキみたいじゃねぇか〜」



犬夜叉が不服そうに言う。




それを聞いて、かごめが言う。


「犬夜叉!暴れたりしたら怒るからね!」






「わかったよ!」



犬夜叉がしぶしぶ答える。





「はい。これで遊んでおいで」


かごめの母が遊びとご飯代を草太に渡す。



「わ〜ありがとう!」


草太が嬉しそうに受け取る。



二人は用意をして、出掛けていった。





「大丈夫かな〜・・・・」



心配そうなかごめ・・・・







そんな心配をよそに草太は犬夜叉と遊べるのが嬉しいらしく、テンションが高い。



「ねぇー何処行く??兄ちゃん!」



草太が聞く。




「そうだな〜何か、体動かせるとこってねぇのか??」



力がありあまっている犬夜叉。





「う〜ん・・・・あっ!そうだ!バッティングセンターに行こうよ!!」



と草太。




「何だ??そりゃ・・・・」




聞いた事のない言葉に犬夜叉は首をかしげる。




「簡単に言うと、力いっぱい、ボールを棒で叩けばいいんだよ」


草太は楽しそうに話す。




「おっ!何だか楽しそうだな!」



犬夜叉ものってきた。




「じゃぁ決まり!行こ!」




二人は近くのバッティングセンターへ向かう。


ここは、かなり広くて有名な所だ。



カキーン!





ボールを打つ音が響いている。


草太は受付をして、犬夜叉に説明する。



・・・・



・・・・・・


「分かった??お兄ちゃん」


一通り、説明を終えて、草太が聞く。




「まかしとけって!あの白い球に当てればいいんだろ??この棒の持ち方は鉄砕牙とにてるしな!いけそうだぜ!」



犬夜叉はそう言いながら、バッターボックスへ入る。




「行くよ〜」


草太がスタートボタンを押した。




正面から白い球が飛んでくる。


「よっしゃ!ばっちり見えるぜ!」



犬夜叉が思い切りバットを振る。




カキーン!




ボールが遥か彼方まで飛んでいく・・・・・




「なんでぇ〜球が遅すぎて、つまんね〜・・・・」



いつも、敵の攻撃を跳ね返している犬夜叉には、球の速度が遅すぎた様だ・・・。





「すげぇ〜兄ちゃん!じゃぁ120`とか打てる??」



草太は興奮しながら言う。



「よくわかんねぇけど、何でもいいぜ!」



グッと犬夜叉がバットをギュッと握って構える。



速度を上げて、スタートボタンを押す草太。




パシュッ!!




凄い速さでボールが飛んでくる。




「まだまだ、おせーよ!」





カキーン!!






犬夜叉の打ったボールは軽々、遠くまで飛んでいった。




「わ〜凄いよ!兄ちゃん!!」



感動する草太。




「けっ!おっせーんだよ」



犬夜叉は物足りなさそうに言う。






「じゃぁ、うちの最高速度に挑戦してもらおうじゃないか!!今まで、打てた人はいないがね・・・・」

??

後ろを振り向くと、いつの間にか人だかりができていて、その中の一人がそう言った。


どうやら、この施設のオーナーらしい・・・・。




「よくわからねぇが、何でもきやがれ!」



犬夜叉が言う。





「ふふ・・・後悔するなよ・・・・・」



半分ヤケになっているオーナーが不気味に笑う・・・・。


どうやら、ポンポンと簡単に打たれてしまったのが、気に入らなかったようだ・・・





「最高速度に挑戦するらしいぜ!!」




「見よ〜!」





わらわらと人が集まってくる。



それを見て、草太はますます興奮する。



「やっぱ、兄ちゃんはすごいや!」




犬夜叉を見る目が、一段と輝いている。




「よし・・・うちの最高速度、160`をまずは見てもらおうか・・・・」


オーナーはスタートボタンを押す。





バンッ!!




もの凄い速さでボールが飛んできた。




「見えね〜・・・・」




周りのギャラリー達が口々に言う。


それを聞いて、オーナーは得意気だ。




「けっ!まかしとけって!」



バッターボックスに入る、犬夜叉。




グッと力を入れて、構える。







パシュッ










カキーン!!







飛んできたと思ったら、その瞬間、ボールは遠くへと飛ばされていた。



周りのギャラリーにはそう見えた。





「けっ!たいしたことねーな!」




犬夜叉がバッターボックスから出てきた。




「すげぇー!!」



出た瞬間、犬夜叉は人だかりに囲まれる。



「な・・・・なんだ??」



犬夜叉がびっくりする。




「すごいー!名前は?歳は??」



「これ、私のメルアド!!」




「私も、私も〜!!」



女性陣からの猛烈な責めにたじたじの犬夜叉。



「知るか!行くぞ、草太!」


逃げるようにその場を立ち去る犬夜叉。






「でも、兄ちゃん凄かった〜」


草太はまだ興奮しているようだ。



「そうか〜??あんなのが凄いのか??わかんねーや・・・・」



犬夜叉は少し疲れている様子・・・・




「今日はもう帰ろっか」


それを見た草太が犬夜叉の手をひいて、家に向かう。




「おー」



そう言って、家路についた。






「ただいま〜」



草太が玄関を開けながら言った。




「おかえり〜」



かごめが階段を下りながら迎えに出てきた。





「犬夜叉、問題とか起こしてないでしょうね・・・・??」



かごめが心配そうに聞く。





「何もしてねーよ」



犬夜叉がふくれた表情で言う。




「兄ちゃん、すごかったんだよー!!」




草太が嬉しそうに話す。




「そうなんだ〜何が・・・すご・・??」



かごめは言いかけて、犬夜叉のポケットからはみ出ている何枚かの紙を見つける。




「何これ・・・・・」



その紙を広げながら見るかごめ・・・・





ぶちぶちぶちぶち・・・・・・・・




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






かごめの周りに炎が見える・・・・




「!!??」




「な・・・何だよかごめ!!」



犬夜叉が草太の陰に隠れて聞く。




「犬夜叉ーーーーー何よこれはーーーーーー!!!!!」




バッと渡された何枚かの紙には、メールアドレスや、連絡先が書かれていた。



「かけてね」  「今度は二人で会いたいな」  「格好いい〜惚れました」



などのメッセージが書いてあるものもあった。



そう、何人かの女の子が犬夜叉のポケットにも押し込んでいたのだ。



「ばかっ!知らねーよ!!」



犬夜叉は慌てて言う。



「草太〜犬夜叉は一体、何をしてたのかしら〜・・・・・」



かごめは冷たい目で草太を見る・・・・




「たっ、ただバッティングセンターに行ってただけだって!!」



草太も慌てて、言う・・・・・



「へー隠すのね・・・・・」





かごめは完全に何か勘違いしている・・・・



無言でスタスタと部屋へ戻るかごめ。



「ちょっと待てって!!」




犬夜叉が後を追う。




「ついてこないで!!!」




かごめはバンっと部屋のドアを閉めた。










その後、かごめの誤解がとけるまで、2日はかかった・・・・・・










(終)