ピピピ・・・・・ 「・・・・うーん・・・・・」 目覚ましを止めて、かごめが起きる。 昨日は嬉しくてなかなか寝付けなかった・・・・ 目をこすりながらカーテンを開ける。良い天気だ。 「よし!良い天気!早く用意しなきゃ!」 今日は犬夜叉とお出掛け。こっちで出掛けるのは初めてで嬉しくて昨日は寝付けなかったのだ・・・・ 「さてと・・・私より犬夜叉の用意の方が大変そうね・・・・」 こっちでは、犬耳も隠さないといけないし、あの服装では目立ちすぎる。 かごめは自分の用意をてきぱきとして、1階に下りる。 「お〜起きたか」 犬夜叉が伸びをしながら、かごめを見る。 「犬夜叉、こっち来て。今からあんたの用意しないと」 「はあ??このままじゃいけねぇのかよ・・・・」 自分の格好を見ながら、犬夜叉がぼやく。 「当たり前でしょう〜そのままだったら大騒ぎになっちゃうわよ」 かごめは持っていた服を犬夜叉に渡して着替えるように言った。 「どうやって着るんだ??これ・・・・??」 その服を不思議そうに見ながら、犬夜叉が言う・・・ そっか・・・・分からないか・・・・ 「草太!!犬夜叉の着替え手伝ってあげて!!」 ゲームをしていた草太にそう言って、忙しそうにかごめはまた部屋に戻った。 「よかった〜服、買っといて・・・・」 そう言いながら、かごめは犬耳を隠す帽子を探していた。 実は水族館のチケットをもらった時に、行けることになった時の事を考えて、服を買いに行っていたかごめ。 まさか、行けるとは思ってもいなかった・・・・また、かごめの顔が笑顔になる。 帽子を持って、1階に下りると、着替え終わった犬夜叉がぶつぶつと文句を言っていた。 下りてくるかごめを見つけて犬夜叉が言った。 「な〜何か、変じゃね〜??」 その姿を見て、少し止まるかごめ・・・・ 「いいじゃないーーーーー!!!似合ってるよ〜!!」 かごめがやけに興奮している・・・ 「はぁ??なに興奮してんだお前は・・・・」 犬夜叉が冷たい目で見ている・・・・ 「犬夜叉、次は頭!」 テンションが高いまま、犬夜叉を鏡の前に座らす。 かごめは器用に犬夜叉の長い髪を三つ編みに結って、上手く帽子の中に隠した。 「完璧!!」 かごめは犬夜叉の変装??に大満足の様子・・・・。 「何か落ち着かね〜・・・」 犬夜叉は不満そうだ。 「まあまあ・・・・たまにはいいじゃない。じゃあ行こっか♪」 かごめが嬉しそうに玄関に走る。 「本当、ガキみて〜」 そう言いながら犬夜叉も後を追う。 町に出ると、犬夜叉が珍しそうに色々と見て周っている。 「こんなに変わっちまうもんなんだな〜」 「そうね〜」 そう言いながら、かごめは周りの視線に気づく・・・・ ん・・・・犬夜叉が見られてる?? 「格好いいね、あの人!!」 「本当〜って隣の人、彼女かな〜??」 そんな声が耳に入る・・・確かに顔は整っているし、髪の色も、目の色も変わっていて、背も高いし・・・ あんまりそういう事を考えた事がなくて、気づいていなかったけど、犬夜叉って、モテるタイプなのかも。 そんな事を思いながら、犬夜叉の手をひいて 「早く行こ!」 とその場から遠ざける。 二人は少し歩いて、水族館に到着した。 「ここがスイゾカン??か??」 犬夜叉が不思議そうに止まって看板を見ている。 「そうよ。犬夜叉早く〜」 入り口で券を渡して、二人は入場する。 入った瞬間、犬夜叉の顔が子供にかえる・・・。 「うわ・・・・」 目の前に広がる大きな水槽。沢山の魚達が泳いでいる。 大きな魚や、サメも優雅に目の前を通り過ぎる。 「すげぇ・・・」 犬夜叉が感動しているのが分かる・・・・ そんな犬夜叉を見て、かごめの胸はドキドキする・・・・ 犬夜叉には本当に曇りがない。思ったことや、感じた事を本当にそのまま表す。 今まで見たことのない表情・・・・きっと桔梗も知らない顔・・・ 何だか少しモヤモヤしていたものが晴れたような気がした。 自分が犬夜叉を好きな事は変わらない。 犬夜叉がどう想ってくれているかは分からないけど、自分の前でこんな表情を出してくれている。 それだけで、何だか幸せな気分になった。 嬉しくて何だか涙が出た・・・ 「なあ、かごめ!あっちにも行って・・・・・・??」 犬夜叉はかごめの涙に気づいて、途中で言葉を止める。 「どうした??かごめ・・・・何かあったのか??」 心配そうに顔を覗き込む犬夜叉・・・・ 「ううん・・・何だか嬉しくて・・・犬夜叉が楽しそうで・・・」 涙を拭いて、かごめが笑顔で答える。 「はあ??そんな事で泣くかよ・・・何かあったんだろ??」 その言葉を信じていない犬夜叉。 「本当。だって犬夜叉のあんな表情、初めて見たもん。それが嬉しかったの」 「・・・・・・!?」 少し照れている様子の犬夜叉・・・・ 「さっ!あっちにも行ってみよ!!」 かごめが向かおうとすると、かごめの手を犬夜叉がギュッと握り歩き出す。 「犬夜叉??」 「このままじゃ駄目か??」 少し照れくさそうに犬夜叉が言う。 「ううん・・・・」 嬉しそうにかごめが言う。 このまま時間が止まればいいのに・・・・ よく聞くセリフ。こんな事、今まで思ったことなかったけど、今はそう思う・・・・ 大好きな人の隣にいて、手をつないでいて、話しながら一緒に歩いていける幸せ・・・・ そんな幸せをかごめは感じながら歩いた・・・・・ それから二人はゆっくりと館内を見て周り、軽く食事をして、家に向かう。 「今日はありがとね。付き合ってくれて」 かごめが歩きながら言った。 それを聞いて、優しく微笑む犬夜叉・・・・ ドキッ・・・・ 何だか今日は犬夜叉の表情に振り回されっぱなしだ・・・ 家までの長い階段を上っていると、かごめが急に階段に座った。 「どうした??」 そう聞きながら犬夜叉もストンと横に座る。 「月が綺麗だな〜と思って・・・」 かごめが空を見上げている。 犬夜叉も空を見上げて 「そうだな・・・」 と微笑む。 そんな犬夜叉を見て、かごめがそっと犬夜叉の肩に寄りかかる。 「かごめ・・・」 犬夜叉が優しく話しかける。 「何?」 上を見上げると、犬夜叉の顔が近くにあった・・・・ チュッ そっと優しく口づけをされた・・・・ 「え・・・・え・・・・?」 急な事にびっくりする、かごめ・・ 「何かしたくなったから・・・嫌だったか・・・・?」 真っ赤になりながら、犬夜叉が言う・・・ かごめは不意をつかれて悔しかったのか、少し怒った感じで言った。 「いきなりでよく分からなかったから、もう1回!」 その言葉にびっくりする犬夜叉・・・ パッと立ち上がって、階段を上りながら 「ばーかっ、そんなにできるかよ!!・・・・・」 恥ずかしさを隠すように先に家に向かう。 「あっ逃げた!犬夜叉、待ってよ〜!!」 それを追いかけるかごめ。 二人は追いかけっこをして、ふざけ合いながら、家に着いた。 この日は忘れられない日になりそう・・・・ かごめは今日の事を嬉しそうに日記に付けた。 明日の朝には戦国時代に向かわないと行けない・・・・ 気持ちを切り替えないといけない・・・・ でも、今日は幸せにひたっていたい・・・・ かごめは何回も思い出しては、ボッと赤くなって恥ずかしくなる・・・・でも嬉しくてたまらない・・・・ 「今日も寝れないかも・・・・・」 そう言いながら、かごめは布団にもぐり込む・・・・。 (終) |