かごめが出て行ってから、どのくらい経ったのだろう・・・。 お酒もすっかりとぬけて、布団に寝転んだまま犬夜叉はかごめの事を考えていた。 隣の部屋から、かごめの嬉しそうな笑い声が聞こえる。 それを聞きながら犬夜叉はハア〜・・・とため息をつきながら天井を見上げた。 そして、かごめの唇が触れた場所にもう一度、そっと手で触れてみる。 かごめは俺の事・・・どう想ってんだろ・・・。 まあ、さっきの行動は嫌いな奴にはしねぇと思うが・・・。 でも、面と向かって気持ちを聞いたこともない。言った事もねぇけど・・・。 でも、かごめに触れたいという気持ちが強くなってきて、今のままじゃ駄目になってきてる。 あいつの傍にいて・・・もっともっと近づきたい。 「どうすりゃいいんだ・・・・」 犬夜叉はそうつぶやくと、ギュッと目を閉じる。 その時、隣の部屋の襖がスーッと開く音が少し聞こえた。 誰かが部屋から出てきたのか、足音がこちらに近づいてくる。 かごめだ・・・・。 犬夜叉はバッと布団をかぶり、寝たふりをする。 スー・・・・ 犬夜叉が寝ている部屋の襖が開き、かごめが温かいお茶を持って、部屋に入ってくる。 「犬夜叉・・・まだ寝てるのかな・・・?」 かごめはお茶を置くと、ゆっくりと犬夜叉に近づいて覗き込む。 「犬夜叉・・?寝てる・・・?」 かごめが優しく布団の上から背中をポンポンとしながら話しかける。 「起きてる・・・・」 布団をかぶったまま、犬夜叉は少し体を動かしながら答える。 「温かいお茶持ってきたけど、飲む?」 かごめが今度は背中を優しくさすりながら犬夜叉に聞いた。 黙ったまま、首を横に振ると、少し深呼吸をしてかごめに聞いた。 「あのさ・・・・さっきの何だったんだ・・・?・・・」 犬夜叉はかぶっている布団をギュッと掴みながら、かごめの反応を待つ・・・。 「さっきの・・・?って何??」 かごめは分かっていない様子で、すぐに聞き返す。 「・・・・さっきの口づけ・・・・だよ・・・・」 そう言って、犬夜叉は布団をさらに深くかぶる。 「え・・・・・起きてたの・・・!?」 かごめはびっくりした表情で、犬夜叉から離れる。 その顔は真っ赤になっていた。 「・・・だから・・・何で・・・?」 犬夜叉も布団の中で真っ赤になりながら、もう一度かごめに聞いた。 「・・・・・・・・」 かごめは言葉が出ず、座ったまま下を向いて浴衣の裾をギュッと握りしめている。 少しの間、沈黙が続く・・・。 犬夜叉がゆっくりと布団から出て、かごめの前に黙ったまま座る。 チラッとお互いの顔を見る。 そして、また沈黙が続く・・・。 「・・・あ・・・あのね・・・・」 かごめが沈黙に耐えれず話しだした・・・。 「何か・・・・犬夜叉の寝顔を見てたらしたくなっちゃったの!」 少し早口で、一気に言った後、犬夜叉に背を向けて、ドキドキしている心臓を押さえるかごめ。 それを聞いて、少し驚いた表情をした犬夜叉。 でもすぐに表情を戻して、かごめに聞いた。 「・・・・俺の事・・・どう想ってんだ・・・」 その質問にドキッとするかごめ・・・。 こんな事、聞いてくることは今までなかった・・・。 でも、自分の想いは一つしかない。 「好きに決まってるじゃない!」 かごめは背中を向けたまま、恥ずかしさから、可愛げなく言った。 「そっか・・・俺もかごめのこと、好きだ・・・・」 !? 犬夜叉の言葉にビックリして振り返るかごめ。 でも犬夜叉は布団の中に潜り込んでいた。 「え・・・犬夜叉!?何て言った・・・??今・・・」 かごめは潜り込んだ犬夜叉の体を布団の上から揺する。 「うるせー!もう言わねー!」 布団の中から犬夜叉が叫ぶ。 「もうー!犬夜叉ー!起きてー!」 かごめはそう言いながら、嬉しさから笑顔がこぼれる。 そうやって二人でふざけ合っていると、かごめの母が二人を呼びに来た。 「あらあら・・・仲が良いわね。みんな、待ってるわよ。犬夜叉くんも行きましょ」 かごめの母がそう言って、優しく微笑んで先に部屋へと戻っていく。 「行こ!犬夜叉」 かごめが犬夜叉の手をとって、犬夜叉の体を起こす。 「ああ・・・」 犬夜叉は起きあがると、じっとかごめを見る。 それに気づいて、犬夜叉を見るかごめ。 チュッ かごめの頬にキスをする犬夜叉。 「え・・・」 かごめが頬を手で押さえて驚く。 「さっきのお返し!」 犬夜叉がべーっと舌を出して、子供のように笑う。 そして、みんなのいる部屋へと一足早く入っていった。 「ちょっと・・・!こらー!」 かごめも笑いながら、後を追いかけるように部屋に入る。 そして、二人並んで席につく。 いつまでも、こうやって笑い合っていたい。 傍にいたい。 二人はそう想いながら、目と目を合わせて微笑み合う。 そしてテーブルの下でしっかりと手を握り合った・・・・。 (終わり) |