「犬夜叉〜早くー!」


かごめが大声で犬夜叉を呼ぶ。



「ったく・・・」



重い腰を上げて、犬夜叉がかごめの方へ歩いていく。





「今日は私の家に泊まるんでしょ??みんな待ってるんだから」



かごめはそう言いながら、井戸へと飛び込む。


犬夜叉も後を追うように飛び込んだ。





奈落との戦いも今は少し休戦状態・・・・休める時に休もうという事になり、弥勒と珊瑚と七宝は楓の村で休む事になり、犬夜叉は現代に来ることになった。






「ただいま〜」





かごめが玄関を開けると、みんなが待っていた。



「おかえりー姉ちゃん!犬のお兄ちゃん!」


弟の草太が嬉しそうにかけよってきた。

草太はすっかり犬夜叉になついている。



「お腹空いたでしょう??ご飯にしましょ」



かごめの母がそう言って台所へと向かっていく。



「あっ私、手伝うよ」


かごめも付いて、台所へと走っていった。





「行こ!兄ちゃん!」


草太が犬夜叉の手をとって、部屋へと連れて行く。



テーブルにはすでに沢山のおかずが用意してある。



「さっ食べましょ」



かごめの母が犬夜叉を見て微笑む。




「おう・・・・」



犬夜叉はその場に座った。





「いただきます〜」




みんな揃って食事を食べ始める。


そんな様子を犬夜叉は見て、心の中で微笑んだ。


自分の母親は確かに愛情を注いでくれたと思う・・・でも小さくてあまり覚えていない。



かごめの家族は自分をかごめと同じように受け入れてくれている・・・・


こっちに来たときは家族のように接してくれる。



何だかそれがくすぐったくて・・・でも嬉しい・・・・って最近は思う。




「犬夜叉!何、ボーっとしてるの??」




かごめが覗き込む。




「いや・・・・何かこういうのっていいなと思って・・・・」



犬夜叉らしくないセリフに固まるかごめ・・・




「熱でもあるんじゃない・・・・??」





「うっせー忘れろ・・・・」


少し照れる犬夜叉。でもそんな犬夜叉を見て、かごめは嬉しくなる。




犬夜叉は変わった。桔梗が旅立ってもう1年がたつ・・・犬夜叉は決して、桔梗を忘れる事はないけど、前をしっかりと向いて進んでいる・・・・



「さっ食べて食べて!」



そんな事を思いながら、犬夜叉におかずをとって渡す。




色々な話をいっぱいして、食べて、楽しい食卓だった。






「あー食った食った・・・」



犬夜叉はごろんとかごめのベッドに横たわる。

疲れているのか、今にも寝そうな犬夜叉。


「んも〜寝るなら布団敷くから、そこで寝ないでよ!犬夜叉が占領して、前も眠れなかったんだから〜」



「・・・・おー・・・・・・」


半分、寝ながら答える犬夜叉・・・・



「こらー!」



かごめは犬夜叉をゆすりながら言った。



グイッ



その時、かごめが手を引っ張られ、ベッドに引き込まれる。



「ったく、一緒に寝れば文句ねぇだろ・・・・」




いつのまにか犬夜叉の胸の中にいた。とても広くて温かい・・・・





「え・・・・え・・・・・犬夜叉??」




おそる、おそる顔を見上げる・・。




スースー・・・





寝息をたてて気持ち良さそうに寝ている犬夜叉・・・・




「ははは・・寝ぼけてたのね・・・・」



ふ〜とため息をつくと、もう一度、犬夜叉の寝顔を見る。


大好きな人の顔が目の前にある。



「やっぱり綺麗な顔してる・・・」


そうつぶやくとそっと顔に手をあてるかごめ。



ふと、犬夜叉の唇に目がとまる・・・


桔梗とはキスしたのに、私とはしてくれないんだよね・・・・



そんな事を思いながら、少しふくれるかごめ・・・



どんな感触なんだろう・・・・


つーっと指で犬夜叉の唇をなぞる・・・




柔らかい・・・・




キス・・・してみたい・・・



ふと、そんな事を考えてしまった、かごめ・・・・



・・・・・


・・・・・・・・!!??





「ばかーーー何てこと考えてんの!!!!」



すぐに正気になって、我に返るかごめ・・・




「・・・・・んーーー??」



その声に起きたのか、犬夜叉が目を覚ます。



飛び出るようにベッドから出るかごめ・・・・




「あ・・・俺、寝てたのか・・・・」



軽く伸びをして、ふとかごめを見る。




「かごめ〜どうした??顔、真っ赤だぞ??」




「え?え?」


慌てた様子で鏡を見る、かごめ・・・・顔は真っ赤だ・・・




「な・・・・何でもないの!!それより寝よ!!布団1階に敷くから!!」



慌てて、部屋を出るかごめ・・・



「なんでぇ〜??かごめのやつ・・・」




部屋を出てもドキドキが止まらない、かごめ・・・・



「は〜・・・・やばかった・・・・」



どんどん犬夜叉を好きになっている自分に気づく・・・・



犬夜叉は・・・どうなんだろう・・・私の事を大切に想ってくれているのは感じる・・・でも桔梗の様に愛してはくれないのかな・・・・



そんな事を考えながら、布団を敷いて犬夜叉を呼びに行く。




部屋に入ると、犬夜叉が何かを見ている。



「な〜かごめ、何だ??これ??」



ペラペラの紙を振りながら、犬夜叉が聞く。




「あ〜それ、友達がくれたの。犬夜叉と行っといでよって。でも水族館とか興味ないでしょ??」




「何だ??そのスイ・・ゾ・・・カン??って」




「魚とかイルカとか、色々な生き物がいるの。でも犬夜叉、出掛けるのとか面倒でしょ?」


かごめは少し淋しそうな表情で、犬夜叉から券をもらうと机の中にしまう。




そんな表情を見て少し考えて


「・・・・行ってもいいぞ」


犬夜叉がぼそっと言う。




??





「え??いいの?本当に??」




ビックリしながらも嬉しそうなかごめ。



「ああ・・」



その表情を見て、微笑む犬夜叉。




「じゃあ、明日行こ!」


かごめは、はしゃいでいる。


「けっガキだな〜」



そんな事を言いながら、犬夜叉は笑いながら1階へ下りていった。






かごめはわくわくして眠れない・・・・




早く明日になって・・・・そう思いながら布団にもぐり込んだ・・・。








(続)