かごめが嬉しそうに準備をしている。


そう・・・初めての犬夜叉との旅行。



といっても家族も一緒だが、それでも、かごめは充分嬉しかった。



「かごめーまだー??」




1階から、かごめの母が呼ぶ。





「待って〜もうちょっと〜」



かごめは部屋のドアを開けて言った。




「お姉ちゃん、嬉しいんだよ。お兄ちゃんがいるから」



草太が犬夜叉に笑いながら言った。





「そうか〜?」



犬夜叉は草太が言った意味がよく分かっていない様子だった。






「おまたせ!」




大荷物でかごめが2階から下りてくる。






「なんだ・・・その荷物の多さ・・・・」





犬夜叉は、はあ〜っとため息をつくように言った。






「うるさいな〜いいじゃない!色々といるんだから」




かごめはベーッと犬夜叉に舌を出す。





「ったく、しょうがねえな」





犬夜叉はかごめから荷物をとると、それをヒョイと持つ。





それを見て、草太がかごめに近寄る。




「優しいね。お兄ちゃん」



草太は笑いながら言った。




かごめはそれを聞いて少し恥ずかしそうだった。







「じゃあ、出発じゃ〜!」




かごめのお爺ちゃんが、元気よく玄関から出て行く。





「あらあら・・・。お爺ちゃん、ちょっと待ってくださいよ」




かごめの母も追いかけるように玄関を出る。






「行こ!お兄ちゃん!」





草太が犬夜叉の手を握って、引っ張りながら言った。





二人が玄関をでる様子を見て微笑むかごめ。






「さあ、乗って」





かごめの母が運転する車に、みんなが乗り込む。




「さあ、行くわよ〜」





車は目的地へと向かう。







「すげーな」




車に初めて乗った犬夜叉が外を見ながら言った。





「そっか、犬夜叉は車に乗るの初めてだよね」




かごめは犬夜叉のびっくりしている表情を見てクスッと笑う。










そのまま順調に車はすすみ、目的地へと到着する。






「今日はお越し頂き、ありがとうございます」



車を停めると旅館の女将が笑顔で出迎えてくれた。





「帽子、帽子!」




かごめは慌てて、犬夜叉に帽子をかぶせる。





「どうぞ、こちらになります」





車を下りると、離れにある部屋に案内される。





「綺麗ね・・・」




かごめは綺麗に手入れされている庭を見て言った。





「何か、むこうの世界にいるみたいだな・・・・」




犬夜叉は見渡して言った。



「そうね・・・」




かごめは犬夜叉を見て微笑む。










「どうぞ。食事はこちらに運びますので」



部屋の戸を開けて、おじぎをして女将は元来た道を歩いていく。







「すごーい!広いね」



草太は嬉しそうにはしゃぐ。





「温泉じゃー」




かごめのお爺ちゃんは用意をして、早速お風呂へと向かった。





「待ってー僕も!」




草太もすぐに後を追う。




「私も行こうかな〜」




かごめも荷物を整理しながら言った。





「かごめ」




かごめの母がかごめを手招きする。





「なに?ママ」




かごめが近寄る。



「少し二人きりになりたいでしょ?」




かごめの母は小声でかごめに言った。






「ちょっと!ママ!?」




頬を赤らめるかごめ。





「じゃあ、私たちは行ってくるわね」




かごめの母は犬夜叉にそう言って部屋を出た。





「お前は行かねえのか?」





犬夜叉は伸びをしながら言った。





「え・・・うん。後でいいよ」




かごめはそう言って、また荷物の整理を始める。





「何か、することあるか?」




かごめを手伝おうと、犬夜叉が後ろから覗き込むように近づく。





「だ・・・・大丈夫」




かごめの母の言葉で妙に意識してしまっているかごめ。





「ん〜?どうした?」




赤くなっているかごめの顔を見ながら犬夜叉が言った。





「何でもないわよ」




かごめが少しそっけなく言った。





「しかし、すげぇ荷物だな」




犬夜叉はさらに近づいて荷物を覗き込む。





犬夜叉の声が耳に響く。




そして犬夜叉の髪が頬に触れる。





「ちょっと、くすぐったいよ」




かごめがたまらず犬夜叉から離れる。




でも離れてもドキドキは止まらない。






「わ・・・私、お風呂行ってくる!」






かごめは慌てて、立ち上がる。










犬夜叉が不思議そうな顔をしていたが、かごめは飛び出るように部屋を出る。






部屋を出て、深呼吸をするかごめ。







「は〜・・・・・だめだ」






かごめはそう言って、その場に座り込む。







まだまだ旅行は始まったばかり・・・。




心臓がもちそうにない・・・。





かごめはもう一度、大きな深呼吸をした。








(続)